その4では安全側線に設置される安全側線用緊急防護装置(以下、EM)についてまとめました。
安全側線の末端に立っている虎柄のアイツです。智頭
EMはJR線区の安全側線に設置されていますが、設置されていないケースもあります。
信号回路とケーブルで接続されており、列車が倒すと回路が切断され、周囲の信号機が停止信号を現示する仕組みになっています。↓朝明信号場はケーブルの接続状態が良く分かります。
このようにEMは安全側線に進入した列車と周囲を走る列車との衝突事故(二次被害)を防ぐことが目的で設置されています。EMやATS、鉄道無線は三河島事故がきっかけとなり整備されていきました。
それでは各地のEMを見てみましょう。基本形態は同じですが表記などに各地の特徴が見られます。
北海道の豪雪地帯ではEMの目印としてポールが建てられていることが多いです。幌延
東北地区では倒れ防止のワイヤーを前後に張っているEMがありました。
保線作業員が誤って接触しても倒れないように対策していると思われます。東仙台
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根元の黒いボックスに25EMと表記されていますね。この番号が各EMの識別番号になります。
長野地区では名称を掲げたEMがありました。↓は聖高原です。
東海地区ではおさわり禁止!の注意書きが設置されているEMをよく見かけます。沼津
平仮名主体で書いてあるのは信号を強調するため?それとも遠くからでも読みやすくするため?
西日本地区ではロープ柵で厳重に囲われているケースがありました。
振動注意の札付くことで触ったらまずい物感が漂ってます。(実際そうなんですが)
踏切の近くでしたので通行人による悪戯防止と思われます。仁豊野
↓こちらは囲いが小さいタイプ。砥堀
列車が進入した際は柵もろともなぎ倒されてしまうんでしょうね…
最後に都区内ですが、おなじ東京支社管内にも関わらず表記がバラバラでした。
まず大田運輸区の入口にある安全側線ですが、EMと連動する信号機のことを「支障信号機」と表記しています。ちなみに62EMの支承信号機は12LとS12Lです。
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次に北千住の待避線に設けられたEMですが、こちらは連動する信号機を「関係する信号機」と表記しており、ボードも上半分ほどのサイズです。ちなみに41EMに関係する信号機は2R、11L、13Rです。
そして中野の引き上げ線にあるEMは名称に安全側線用緊急防護装置の「用」が入らない縦書きで、連動する信号機のことは「制御される信号機」と表記しています。
またEMの番号は記載されていません。手前のEMに制御される信号機は17LW、24R、25Rとなります。
つづく
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