作並と山寺は20kmほどしか離れていませんが、どちらの駅にも転車台が設置されています。
両駅は仙山東線と仙山西線という別々の路線の終点として開業したため折り返し用に設置されました。
そして1937年(昭和12年)、仙山トンネルが開通したことにより両線は繋がり仙山線に改称されました。
作並-山寺間は開業当初から直流電化されていたものの、のちに日本初の交流電化に切替えられたのは有名な話ですね。山寺の転車台は駅の開業した1933年(昭和8年)に設置されたものです。
駅舎を出て右に2回曲がり、線路下を通り過ぎてさらに右に曲がると近くで見学できる道に出ます。
18m級のバランスト形上路式転車台です。ピットが深く危険なため全周に渡って柵が立てられていました。
線路や集電ケーブルは撤去されていますが、それ以外の部分は原型を留めているようです。
塗装表記も残っていました。最後に塗装したのは1964年ということで、半世紀以上前になりますね。
前述のようにピットが深く掘られているため、円周軌条は一段高い位置に敷かれています。
側壁の意匠が上段と下段で異なっているのが興味深い…
牽引車は昭和初期特有の箱型で、発掘された作並も同型でした。運転はちょっとスリルがありそう
大歯車にかかる部分のカバーが丸く切り欠いてある点が作並と異なります。
他の場所にある牽引車の窓枠はアルミサッシなどに換装されていますので、原型の木製窓枠が残っているのは恐らくここではないかと思います。トタン屋根は応急処置的なものがそのまま残ったんでしょうか?
作並の転車台と共に、仙山線の鉄道技術資産として土木学会の推奨土木遺産に認定されています。
今後も末永い保存を期待したいと思います。
p.s. 会津高原尾瀬口の転車台を更新しました。野岩鉄道開業30周年ツアー
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