前回はJRの在来線と私鉄のスラブ軌道分岐器を紹介しました。今回は新幹線に的を絞りたいと思います。
スラブ軌道は東海道新幹線を除く(一部例外あり)ほとんどの新幹線で採用されていますが、分岐器は今のところJR東日本のみで確認しています。まずは(1)東京新幹線車両センターとの分岐点から参りましょう。
※カッコ内の数字は分岐器の数ではなく、場所と種類を区別するための便宜上のものです。
西唐津や尼崎センタープールと同じ構造ですね。左右の突起で軌道スラブを挟み込むタイプでした。
(2)盛岡のいわて沼宮内方の分岐器は突起無しでした。こちらは近江舞子や大津京と同じタイプです。
(3)盛岡は全てスラブ分岐器なのですが、新花巻方の両渡り線に変な形の軌道スラブを見つけました。
斜めに配置された橋脚の継ぎ目に揃えたのかと思いましたが、下の道路の角度とは一致していませんね
(4)続いて仙台の古川方のトングレール付近を観察。温風式電気融雪器がメカメカしくて美しい…
この部分に軌道スラブの突起はありませんので、(2)と同じ構造の分岐器かと思いきや、
リード部は(1)同じで両脇の突起支持です。ですが突起の形状が丸ではなくカマボコ形です。
(1)はトングレール部まで突起がある軌道スラブですので、(4)は折衷版といった感じでしょうか。
(5)仙台の白石蔵王方にも多角形の軌道スラブを発見しました。(3)とはまた違った形状をしていますね。
この形状にどういう意図があるのかご存知の方が居たら教えてください!
(6)大宮の北側にあるダブルクロスオーバー。かなり細長い軌道スラブで左右の突起はありません
軌道スラブの幅には何種類かあるようで、締結具の数を見ると2個~4個まで色々です。
(7)上毛高原駅は保線基地を除く全ての分岐器がすべてスラブ軌道です。
駅の高崎方にある跨線橋から一望することができました。地上から観察できる数少ないポイントです。
上の写真の手前の分岐器は保線基地へ繋がる分岐なので、固定式のノーズです。
トングレールをアップで。在来線の分岐器に慣れているとトングレールの長さに驚きますね。
本線のスラブ分岐器は直接加熱式電気融雪器のため(4)の温風式電気融雪器と比べるとスマートです。
ノーズ可動クロッシングポイントは専用の電気転轍機で駆動していました。
余談ですが保線基地のポイントは熱風発生機という装置があったため温風式と思われます。
(8)もう一つ奥の跨線橋からシングルクロスを観察。上毛高原に突起付きの軌道スラブはないようです。
(9)本庄早稲田は2004年に開業した上越新幹線の駅です。高崎方は元の高架橋に対面式ホームを外付けするような形で建設されました。元々スラブ軌道であったため、スラブ分岐器が導入されています。
トングレール付近は(1)と同じく短尺の軌道スラブを円形突起で固定するタイプですが、その先に注目
リードレール部は大きな一枚の軌道スラブを前後左右の4方向から円形突起で保持しています。
この大型スラブはレール締結部と突起がある外側で色が違います。ひょっとして分割式なのかな?
フログ付近は再び短尺スラブになり、枕木方向のみ突起で固定しています。
そして2つの線路がある程度離れるまでは再び大型スラブの4点保持になりました。
このタイプのスラブ分岐器は今のところ本庄早稲田の高崎方にしかない特殊なものです。
今後スラブ軌道上に分岐器を追加設置することがあれば、他の場所にも導入されるかもしれません。
(10)駅の熊谷方は掘割になっており、跨線橋から分岐器全体を観察できました。
(6)と同じで軌道スラブの幅がまちまちです。こちらはレール締結具が5つ分のスラブもありますね。
通過線があるためノーズ可動クロッシングポイントです。新幹線の転轍機は白色がトレードマーク
分岐器の前後区間は珍しいタイプのスラブ軌道なのですが、それについてはまた後日紹介します。
(11)最後にりんかい線の八潮車両基地と東京貨物ターミナルの間にある試験線のようなスラブ軌道分岐器を
以前も紹介しましたが、隣の線路より軌間が広くで番手が大きいことから新幹線向けと思われます。
営業線で採用されているものとは構造が異なります。また、分岐側のレールは殆どありません。
他にも越後湯沢でダブルクロスを確認していますが、リベンジ出来次第アップしたいと思います。
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