東北本線 片岡駅
樽見鉄道 本巣駅
安全側線-6
その6では安全側線に使用される乗越分岐器と脱線転轍器標識についてご紹介します。
まずはオーソドックスな安全側線である吉塚駅の動画をどうぞ
継ぎ接ぎ動画のためすぐ転換してしまったり列車と被られたりしていますがご了承を。
乗越分岐器は乗越ポイントと乗越クロッシングから構成されています。
下の写真ですと左下の線路が安全側線で右側の曲線が本線となります。
乗越ポイントは外側の乗越レールが被さる形で密着し、車輪は被さったレールの段差を利用して本線を乗り越えていきます。乗越クロッシングは乗越側のレールを本線レールより高くすることでフランジが乗越えられる構造となっています。その際、外側のレールにはガードレールを設置して脱輪を防いでいます。本線側のレールにはフランジウェイ(欠損部)が無いため走行に影響を与えることはありません。
上の写真は右側が安全側線です。乗越クロッシングの形状が先ほどとは少し異なりますね。
安全側線に使用される乗越クロッシングは固定式ですが、乗越ポイントと同様に被せる形状をした可動式の乗越クロッシングは保線車両用の側線などで使用されています。
このタイプは乗越ポイントと乗越クロッシングが機械的に連動して動作するようになっており、渡り線として使用されることもあります。背向からも使用できる点が固定式と異なるポイントでしょうか
話を安全側線に戻します。
安全側線に使用される分岐器は先ほど述べた乗越分岐器の他に普通分岐器を使用する場合があり、前者の場合は脱線転轍器標識が付き、後者の場合は普通転轍器標識が付きます。(いずれも省略される場合もあります。)
上の写真だと手前が普通転轍器標識で、奥の標識が脱線転轍器標識となります。
どちらの標識も列車が通行可能な反位の標識は黄色い矢羽根です。
普通転轍器標識の定位は青丸に白い横線が入る標識となりますが、安全側線に使用した場合はこの標識が安全側線に突っ込む状態を示しているため注意が必要です。
上の写真の場合、手前の安全側線は反位(通行可能)で奥は定位(安全側線)となっています。
灯火の色は脱線転轍器標識の定位が赤、普通転轍器標識が青となり、反位はいずれも黄色です。
脱線転轍器標識の定位の状態は赤い四角に白い縁取りが施してあります。また、安全側線が定位の状態の時は本線側から背向で進入できる状態にはならないため標識の裏は無地となっています。灯火も点灯しないため白い蓋がされています。
下の写真は先ほどの動画の吉塚のものです。灯具が四角い形状で比較的新しいタイプでした。
普通転轍器標識でも灯具が四角い形状のものを時折見かけます。
その1でも紹介しましたが、標識は豪雪地帯だと積雪による視認性を高めるため標識の背が高いノッポタイプが採用されていることもあります。雪に埋もれた状態でも正常に転換できるんでしょうか?
逆に通常より小型のタイプも存在します。こちらは車体より背が低いためスペース的に余裕がない場所に使用されると思われます。(少なくとも下の場所では十分スペースはあるように感じますが…)
ちなみに上の写真のように曲線区間の外側に分岐する分岐器を外方分岐器と言います。
写真2,3枚目も外方乗越分岐器ですね。
小形タイプの標識を使用した梅ヶ丘駅の動画です。複々線の完成により現在は消滅しています。
乗越分岐器には脱線転轍器標識が付くと書きましたが、実は例外も存在します。
上の写真、普通分岐器を使用した脱線分岐器ですが標識は脱線転轍器標識です。
クロッシングも乗越クロッシングではなくフランジウェイのある通常タイプですね。
こちらはクロッシングのない脱線転轍器(脱線ポイント)です。
トングレールが使用されていますが標識は脱線転轍器標識となります。
脱線転轍器標識は脱線器にも使用されることがあります。脱線転轍器や脱線器の場合、貨物専用線などで使用されることが多いため灯具が省略された首ナシ標識であることが多いです。
以上のように脱線転轍器標識は安全側線に使用される乗越分岐器以外にも、脱線用途に用いる場合はポイントの種類を問わないことが分かります。ただし、普通転轍器標識が乗越分岐器や乗越レールと組み合わされて使用されることはありません。(確認できてないだけで存在する可能性は否定できませんけどね…)
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2019年を迎えました
車両基地レール延長部を買ってみた
昨年発売された車両基地レールセットは手軽に車両基地を再現できることから話題となり、店頭からすぐに姿が消えてしまうヒット商品となりました。私もずっと買いそびれていて、先月再生産された際にやっと入手することが出来ました。レールセットを買うのはカント付レール以来でしょうか
購入したのはセットの方ではなく延長部です。セットには本線から車両基地までのポイントや末端のエンドレールなどが含まれていますが、車両洗浄機以外の製品は単品で集めることが出来ますので、今回は見送りました。(洗浄機はGM製を使ってみる予定)
車両展示が目的ならむしろ延長部だけでも十分かと思います。
中身はこんな感じです。レールよりパーツ類のが目立ちますね。
今回の製品の中でも構内踏切を模した踏切PCレールは新規のレール製品です。
長さは35mmでS35-PC(F)という型番が付与されています。
ジョイントレールS35-Jと組み合わせるとS70と同じ長さになります。
またS18.5を2本繋げると全長が72mmとなるのでS72.5とほぼ同じ長さとなります。
まあこちらは使い道が限られていると思いますが…
ちなみに35mmのレールはワイドエンドレールE-WIが初登場です。
初期はブリスター入りの単品でしたが、現在は紙箱の2本セットに変更されています。
ジョイナーと車止めのヤグラの長さを足すとちょうどこの長さになるみたいです。
では他のエンドレールの長さはどうなのかと疑問になり、測ってみることにしました。
まずLEDタイプは34mmです。
そして普通のエンドレールEの頭部は33mmでした。
以上よりエンドレールは種類ごとに1mmずつ長さが異なることが分かりました。
という訳で、S33とエンドレールE-WIの組み合わせと、ジョイントレールS35-JとエンドレールEの頭部の組み合わせはちょうど同じ長さ(68mm)となります。まあこの2つの組み合わせも使い道がないと思いますが…
話が脱線しました。
踏切レールと構内踏切は配線を通せる構造になっています。つめれば6~7本は入りそうです。
構内踏み切り端部の柵や洗車台の階段などは島式ホーム(都市型)と共通のパーツが使用されています。
それでもまだ未使用のパーツがあり、対向式や他の製品への応用が期待できそうです。
洗車台はS140のフィーダー差込口を利用して固定する方式です。
排水溝の蓋で固定したらあっという間に完成。
洗車台レールのみS280ではなくS140がセットされているのは、このパーツ構成が理由だった訳ですね
PCレールのフィーダー差込口が3つになったのはレールの向きを気にせずフィーダーの位置を揃えることができるようにするためという話は聞いていましたが、フィーダー以外のパーツにも上手く活用する機会が増えてきました。特に今回の車両基地関連では脱線ポイントや車両洗浄機などにも活かされています。
京都鉄道博物館で発売されているワム3500形に付属しているカーリターダーレールもS70のフィーダー差込口を利用していました。これ一般販売したらそこそこ売れると思うんだけどなあ
S140に仕込むとリレーラーレールの亜種みたいな姿になります。
またまた脱線してしまいました。
洗車台の側面には別売のワイドレール用の柵や手すりが付けられます。側壁と手すりは高架化等で使いましたが、柵だけは使い道が無く机の肥やしとなっていたので絶好の用途となりました。
どうやっても外側に傾くのは仕様のようですが、洗車台を付けると目立たなくなるのでヨシとします。
洗車台の上にも柵や手すりを付けられますが今回は省略しました。これを2セット組んだら完成です。
延長部を繋げる場合、構内踏切が途中に挟まる形となります。しかし洗車台は分割されてしまうし、階段パーツも片側ずつしか設置出来ないためちょっとアンバランスです。
そんな時のために構内踏切の上にも洗車台を設置することができるパーツも含まれています。
まあこの場合は構内踏切が行き止まりになってしまいますが違和感は少ないです。
組立が続きます
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車両基地レール延長部を組み立ててみた
前回の続きです。まずは番線表示と架線入切表示パーツにシールを貼りました。
ちゃんと庇の有無が作り分けられており、拘りが感じられます。
架線入切表示は点灯化したら楽しそうですね、お座敷運転の場合は取り扱いに困りそうですが…
マルチ複線トラス架線柱に取り付けると一気に車両基地の架線柱らしくなりました。
マルチ複線トラス架線柱はとても使い勝手が良く、かつて発売されていた鉄骨型のようなはめあいの悪さもないため安心して扱えます。鉄骨型も国産だったら上手く出来ていた気がするんですがね
本製品は片側だけワイドバラストにすることで複線間隔を27.75mmに縮めています。しかしその弊害として隣り合うレール同士の連結が出来ません。このため接続先のレールのバラストを反対に配置し、機器箱Aを設置することで隣り合うレールと接続するレールの固定をしています。
機器箱Aのボスの片方が長穴でないは小穴のズレを吸収するためなんですね、よく考えられています。
レールの中間部にも小穴があるのでこちらに設置することも可能です。車両基地以外でも使えそう
入換信号機と進路表示器は説明書通りに組むと下写真の左側のようになりますが、個人的には機器の位置が高すぎるような気がしたのでちょっと下げて右側のようにしてみました。
梯子と柱は都市型ホームと共用パーツですので組み合わせると色々な種類の信号機が作れます。
下写真の一番左の信号機は実際に組み合わせたもので、入換のある駅などに使用できそうです。
んで、ちょっと気になったのが入換信号機という呼称。
実物は入換信号機と入換標識という2種類があり、車両基地セットに付属している物は入換信号機識別標識がないため入換標識となるはずです。GMのストラクチャーではちゃんと作り分けがされていたので名称を変えるか、作り分けをするかして欲しかったなーと思いました。
ただGMも作り分けてはいますが、入換信号(標識付き又は灯列式)という曖昧な名称だったりします…
入換信号機と入換標識の違いについては本筋から外れてしまいますので下の方に書いています。
こちらのランナーは色々興味深いものが収録されています。延長部では交換用レール(ダミー)と入換信号機、前述の架線用表示器くらいしか使わないのですが、右の方にあるパーツがとても気になるんです。
実はこれ、車両基地レールセットの方で脱線ポイント(脱線転轍機)として使用されるパーツなのです。
ワイドレール化バラストキット用のダミーポイントモーター台(薄型のやつ)とダミーポイントモーター(ポイントに必ず付属しているやつ)を組み合わせれば脱線ポイントの完成です。
ここでもPC枕木レールの3つ穴フィーダー口が活かされています。
ただ黒子が一番目立っている状態ですので塗装してあげたほうが良さそうですね。
末端部も組み立てました。
エンドレールは単品製品ですのでちゃんと点灯します。完全選択選択式のポイントと組み合わせた場合、開通レールのエンド部しか点灯しないので改造して常時点灯できるようにしてみる予定です。
先ほども登場した入換信号機のうち、説明書に載っていた背の低いタイプを末端側に配置しました。
信号機柱を短くカットしただけですが、あくまで上級者向けとされているのはいつものこと
前回組んだ洗車台と組み合わせて車両を置いてあげればあっという間に車両基地が完成です。
とりあえずE233系に登場してもらいました。もう京葉車両センターにしか見えませんね。
すぐ近くに新駅を設置する計画が進んでいるそうで、連絡通路からの光景が日常になるかもしれません。
こちらは基地の入り口側。今度は幕張車両センターに見えてきました。
横方向に線路を増やすこともできますので巨大な車両基地を形成することも可能です。
このように全国各地の車両基地に化けることができるのも人気となった理由の1つかと思います。架線柱を外して気動車を置けば非電化区間の車両基地にもなりますからね。
既存のパーツを最大限に活用したシステマティックな構成については他社より頭一つ抜けていると思いました。複線間隔については車両基地以外にも拡充していければ楽しみが広がりそうです。
セット、延長部共に4月に再生産するみたいなので、もうちょい買い足してみようかな
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以下、余談
入換信号と入換標識について
諸々の文献によりますと信号は進路の開通方向と閉塞(車両の有無)を現示しますが、標識は開通方向のみを表示するという違いがあるようです(現示と表示という言葉の違いもあります)。つまり、入換標識だけでは他の列車との衝突等の危険性があるため誘導係を必要とします。
↑入換信号機の見本、上から入換信号機本体、入換信号機識別標識、線路表示器
入換信号機識別標識(真ん中の白いランプ)は入換標識には付きません。つまり、これが無ければ必然的に入換標識となるわけですが、設置されている場合でも消灯していると入換信号機ではなく入換標識という扱いになります。入換信号機は入換標識の上位互換といったところでしょうか
上の写真は入換信号機識別標識が無いため入換標識であることが分かります。
ミュースカイが停車している側線側に線路が開通すると灯火の配列が変わります。
こちらも入換信号機識別標識が封鎖されているので入換標識ですね。(イレギュラーな使い方です)
入換信号機と入換標識は灯列式と呼ばれ、灯火の並び方により現示及び表示をします。
横並びに点灯していれば停止あるいは線路が閉じている状態を現します。また斜めに点灯していれば進行あるいは線路が開通している状態を表します。
基本的には横並びで点灯している状態が長く、車両が通るときのみ斜めに点灯することが多いです。
線路高さに入換信号機を設置する場合、入換信号機識別標識を本体の上に設置することもあります。
最近では右下の灯火を赤色にすることで色灯による違いも表現したタイプが登場してきました。
灯列が横並びかつ赤色ということで先には進めないと確実に捉えることができますね。
線路表示器はどの線路が開通しているかを示すためのもので、特に線路が大量に並ぶ場所では下の写真のように矢印で対象の線路を補足することもあります。
信号機や標識についてはまだまだ知らないことがあり興味が尽きません。
井原鉄道 高梁川橋梁
井原鉄道井原線は総社と神辺を結ぶ路線です。
総社-清音間はJR伯備線と共用区間となり、井原線は清音の先で大きくカーブを描きながら高梁川を越えていきます。分岐してすぐに架けられているのが高梁川橋梁です。
全長は716mで、8径間の連続ワーレントラス橋となります。
特筆すべきはその外見。錆止めのような茶色い風貌ですが、実は無塗装で錆びているんです。
実は橋梁の素材に耐候性鋼材(通称コルテン材)を採用しており、表面に錆びの皮膜を形成して内部侵食を防いでいます。鋼材規格で言うとSMA400とかSMA570などが挙げられます。
耐候性鋼材は山間部など設置後の再塗装が難しい橋梁でも採用されることが多い素材です。
設置環境によりウェザーコート処理をする場合もありますが、高梁川橋梁は裸使用です。
錆色は経年により茶色から焦げ茶色へと変化していくそうです。
橋梁上はロングレールのためジョイント音がしません。
長編成の優等列車が走っていてもおかしくない立派な橋梁だと思います。
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令和を迎えました
こんばんは
本日から平成にかわり新しい元号の令和が始まりました。
平成最後の昨日はまるで大晦日のような雰囲気を感じたのは自分だけかな
何はともあれ、平和な時代になると良いですね。
そんな令和の初日は10連休中とあって西の方へ出掛けていました。
天空の城 竹田城跡号という列車がありましたので利用させて頂きましたが、和田山からアプローチしたため僅か1駅7分の乗車時間だったのが名残惜しいです。
この列車、車内は綺麗に改装されているのですが乗車券だけで利用できるのは嬉しいですね
外観は5月6日の運行を以て新しいラッピングに変更されるとのことで丁度いいタイミングでした。
雲海は秋口という事前情報は得ていたのですが、周囲の山々が雲に包まれプチ天空の城気分を味わうことが出来ました。今度は雲海に身を置く姿を向かいの立雲峡から眺めてみたいです。
城跡内から見えた県道136号線のコンクリートアーチ。ジオラマモードにて撮影
シャトルバスを利用するとこのアーチ橋の下を潜って武田城跡に近い駐車場まで行くことが出来ます。マイカーですと中腹の山城の郷駐車場までしか入れませんので、そこそこ歩く必要があります。
スラブ軌道-7
7回目となったスラブ軌道の記事ですが、今回は枠型スラブ軌道の話をしたいと思います。
スラブ軌道の進化と共に登場した枠型スラブ軌道ですが、平板スラブと比較して軽量表面と内部の温度差に起因するソリが少ないなどメリットが多くあります。
房総の209系をディテールアップ-2/2
前回の続きです。
今回は先頭車同士の連結時に行先表示が点灯している状態を再現してみます。
行先表示用の専用基板を設置して常時点灯できるようにしてみます。
こちらの基板は厚みが0.5mmでハサミで切れるので最近よく使っています。
プリズムは垂直部をカットし照射部を黒塗りして光漏れ対策としました。
両者を仮組するとこんな感じ。
薄型基板とブリッジダイオードじゃなかったら入らなかったみたいです。
ヘッドライトとテールライトのLEDは行先表示部への導光が不要ですので砲弾型に換装しました。
オリジナルのチップLEDはプリズムまでの距離があるため、少しでも効率を稼ぐのが狙いです。
ヘッドライトが電球色でテールライトは赤色を切らしていたため白色を使用しました。
この回路は常点灯化のスペースが苦しいうえ、シートの加工も必要になってきますので抵抗を1kから750Ωに変更して終わりです。これだけでも明るさの変化が緩和した気がするのでヨシとします。
行先表示の基板は遮光ケースに両面テープで固定の上、配線を通して製品の基板に半田しました。
ライトスイッチをオフにすることで行先表示のみ点灯する状態になります。
屋根が透けないようにLEDの上に遮光フィルムを貼っておきました。
遮光ケースをシートに接着して基板を固定しているので、組立or分解時はシートと床板を別々に組み込むスタイルになります。また、床板は半田と干渉する部分に逃がしを付けています。
【完成】
前進時の行先表示が後退時より暗いといったウィークポイントが解消されました。
ヘッドライはもう少し色温度が低くてもいいかもしれません。
テールライトの光源に電球色や黄色のLEDを使うとおれんじ寄りの発光色になってしまうので白色か赤色がベターかと思います。
最後に連結面の点灯状態を。かなり地味です…
点灯状態が殆ど見えなかったためカプラーを伸ばしてみましたが、それでもこんな感じです。
まあ行先表示の常点灯化の副産物だと思えば悪くないかなと思います。
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以下、余談
あまりに連結面間隔が狭いので(ある意味実車に忠実なのですが…)カプラーを長くしてみました。
使用したのはカシオペア用の0339。(写真右)
元のカプラーと共に全バラシして連結器本体のみ交換します。
交換すると右くらいの長さになります。
この交換によってできた副産物は0336と同形状になりますので無駄にはなりません。
スラブ軌道-7
7回目となったスラブ軌道の記事ですが、今回は枠型スラブ軌道の話をしたいと思います。
スラブ軌道の進化と共に登場した枠型スラブ軌道ですが、平板スラブと比較して軽量で表面と内部の温度差に起因するソリが少ないなどメリットが多くあります。そんな枠型スラブ軌道の歴史を振り返ってみたいと思います。枠型スラブの中で最も古いのは1960年代に登場したL型スラブ軌道(L-150形)でしょう。
L型はレール直下に帯状の緩衝材を配置し、軌道スラブを支持する構造をしています。軌道スラブは4ヵ所ほど開口部があるラダー状で、外側も路盤から浮いていることからレール直下のみで支持していることが良く分かります。また、突起コンクリートが矩形な点も主流のA型とは異なります。このL-150形はえちごトキめき鉄道の浦本トンネルと総武本線の中川放水路橋梁に試験敷設されています。
その後、軌道スラブの軌間内を大きくくり抜いた枠型スラブが登場します。
1971年に関西本線の朝日駅構内にスノーフリーの枠型スラブ軌道SA-155形が敷設されました。
SA-155形はコンクリート桁直結軌道に挟まれる形で敷設されており、軌道スラブの周囲は鉄板で覆われています。スノーフリーを謳うくらいですから、桁にも開口部があるのか気になるところです。
下の写真が枠型スラブの両端にあるコンクリート桁直結軌道。こちらも枠型となっています。
また、朝日駅から少し離れた本線上には土路盤向けRA-116形も敷設されていましたが、近年バラスト軌道化されています。恐らく米原のように軌道スラブの沈下サイクルが短くなったのではないかと思われます。
1972年、羽越本線の金浦-仁賀保間の複線化に伴い、260mほどスラブ軌道が敷設されました。
そのうち白雪川鉄橋についてはSA-145形とSA-155形が敷設されています。
SA-145形は全長4mで締結具が片側7個、SA-155形は全長5mで締結具が片側8個です。
横から見るとL型のようなラダー状のスラブに見えますが、これは枠の中に枕木のような台を載せているためです。恐らく転落防止の金網を設置するために設置したと思われます。開床式の軌道構造は降雪時の除雪作業軽減に貢献しそうですね。
1994年に開業した関西空港線は様々な省力化軌道の試験線が敷設されています。
スラブ軌道は平板スラブ、平板防振スラブ、枠型スラブの3種類が敷設されました。
平板スラブと枠型スラブの境界を捕らえることができました。枠型スラブは平板と比べ幅がやや狭く、中央に開口部を設けることで建設費と材料費削減を実現しています。また、緩衝材のCAモルタルは不織布のロングチューブに入れるロングチューブ工法が採用され、CAモルタルの注入量の削減と施工性の向上を実現しています。防振スラブは防振マットの弾性により外側のCAモルタルの剥がれが顕著だったようですが、ロングチューブ施工法はそのような症状に見舞われる心配もありません。
前述の枠型と比べると中央枠の四隅にC面が追加されていますね。応力集中を防ぐためでしょうか
また、突起と軌道スラブの間のてん充層には合成樹脂が採用されているため白っぽく見えます。
こちらも平板スラブで採用されているCAモルタルは敷設後20年経過後にヒビ割れが発生していたのに対し、健全な状態を維持していることが確認されています。
愛知環状鉄道は1988年に開業した第3セクターですが、元々国鉄から引き継いだ区間もあることから軌道も国鉄/JRに準じた構造が採用されています。
特に2004年の愛知万博輸送に備え複線化された区間ではロングチューブ施工の枠型スラブ軌道が採用されています。この時期になると弾性枕木直結軌道なども登場していますが、既に路盤には突起コンクリートが打設済みであったため、スラブ軌道が採用されました。ただ、関西空港線の例のように平板より枠型の方がメリットが大きいため採用に至ったようです。開口部のバラストは騒音対策で散布されています。
トンネル内はレール締結部に凹凸のある見慣れない枠型スラブが敷設されていました。
私鉄の標準軌用スラブでは見かけますが、狭軌の枠型でこのタイプは他に見たことがありません。
量産された枠型スラブ軌道は次回に続きます。
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名古屋車両区の一般公開
2017年にJR東海が発足35周年を迎えることを記念して、さわやかウォーキングのコースの一部という形で名古屋車両区の一般公開が開催されました。
JR東海の在来線の車両基地の公開は滅多にないため貴重なチャンスです。
近鉄の踏切(これも敷地内用なので通常は入れません)を抜けると鉄道神社が姿を現しました。
正式名は大金輪神社というそうです。黄金駅や金山神社など金に関わる地名が多い地域ですね
昭和10年竣工の車両庫は古レールの骨組が使用されていたり、SL用の煙突跡が残っていたりと名古屋機関区時代の歴史を物語る貴重な建屋です。
国鉄車両は先に姿を消してしまいましたが、末永く活躍することを祈ります。
庫内にはJR東海の非電化区間で活躍する車両達が展示されていました。
キヤ97系とキヤ95系。フロントマスクは共通ですが、片やデッキ付きの密着自動連結器、片やデッキ無し密着連結器とあって正面の趣は大きく異なります。キヤ95は電車と言っても差し支えない面持ですね。
お目当ての転車台ではキハ85を使用した回転実演が実施されました。
転車台についての詳細は別記事にしたいと思います。
かなり狭い敷地に大勢の人とあって撮影は大変…
やむなく黄金跨線橋に移動して次の実演の撮影に切換えました。
下の写真を見ると混雑具合が良く分かるかと思います。この跨線橋は過去に何度か訪問しているのですが、転車台が稼働している姿を目にしたことはなかったので目的が一つ達成出来ました。
おまけ
黄金跨線橋と反対にある向野橋から見た車両基地
シーサスクロッシングが重なるように配置されていました。
中央の線路の分岐器が複分岐器になったものは阪急の西宮車庫にありますね。
また、三枝分岐器にのもののは国鉄の貨物ヤードで見られました。(いわゆるD型矢羽線)
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名古屋の転車台-1
名古屋車両区の転車台は関西本線や近鉄名古屋線の車窓から良く見えます。
また、近くの黄金跨線橋からも全体を見渡すことが出来ます。下の写真は関西本線の車窓です。
2017年4月に開催されたさわやかウォーキングのコースに名古屋車両区の一般公開も含まれ、転車台も回転実演と言う形で公開されました。この機会を逃すまいと万全を期して名古屋に前泊の上、さわやかウォーキングに臨んだのは言うまでもありません。
この転車台は20m級バランスト形の下路式で、ロック機構は板スライド式、レールは枕木締結です。製造は昭和5年川崎車輌ですが、竣工は昭和10年とされています。ピットの工期が延びたのかもしれません。
牽引車は下路式標準とも言える形状です。円周軌条は一段高い位置で車両用レールと同サイズかそれ以上に見えます。蒸気機関車EXによるとこの牽引車は2台目で、昭和40年頃に振り替えられたもののようです。
見えにくいですが、桁のレール側面には車両種別の略称がペイントされています。
無煙化後も色々な車両を載せていたことが分かりますね。現在でも気動車の転向で現役です。
回転実演にはキハ85 6を使用。後継車の製造が決まっていますので転車台に載る姿も貴重になってきますね。敷地内での全体撮影は広角レンズじゃないと厳しかったので桁とピットの記録を優先しました。
さて、この転車台独自の装備として転車台固定装置なるものがあります。
桁の下部に付いている銀色の箱が固定装置と思われるもの。まるで電車の床下機器のようですね
ただ横から見ると箱というより保護板のようなカウンターウェイトのような…
装置本体は桁の中央部に配置されているようです。
ピット底面には上ノック式の受けを大型化したような爪受が線路ごとに設置されています。
既にあるロック機構とは別にこの装置が付く理由は定かではありませんが、桁の上下方向の揺動を固定して重心が不安定な車両が入線してもシーソー運動を少なくするためではないかと推測しておきます。
手回しテコは線路際に置いてありました。目立つように赤と黄色で塗装されています。
差込口は点対称の配置で2本のみです。(場所によっては4ヵ所差し込み口がある)
転車台の先の線路は2本ありますが、どちらも行き止まりとなっています。
普段の転向シーンの動画などを見ても入線する様子はないことから使用頻度はほぼ無いようです。
転向シーンを俯瞰で撮影するには黄金跨線橋がベストです。
回転実演は下写真右に停車しているキハ85が入線→転向→出発する一連の流れで行なわれます。
屋根上から妻面や側面まで車両を舐め回すように見学できるので模型鉄にもうってつけ?
ただ回転速度は意外と早いので肉眼では追いつかないかもしれません…
動画も撮ってみました。
次は名古屋にあるもう一つの転車台をご紹介する予定です。
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名古屋の転車台-2
東海道新幹線に繋がる名古屋保線区には保線車用の転車台が設置されています。
名鉄東枇杷島駅から15分ほど歩いた庄内川の土手沿いの道から望むことができました。
全長はgooglemapで測定すると12m位でした。集電用のヤグラが見当たりませんが手押しハンドルもありません。そのかわりピットの手前に何やら操作盤が設置されています。あとフェンスの立ち入り禁止の看板がありますが、その高さで立ち入ろうとする猛者はいるのでしょうか…
下の道路から操作盤を狙ってみました。AFだと手前のフェンスにピントが合ってしまうのでMFで撮影。
ターンテーブル制御盤と書かれていることから、電動式であることは間違いなさそうです。
下のアングルの写真では円周軌条の車輪にモーターハウジングが写っていました。
よって、集電は中央支承に設置されたスリップリングから行われていると思われます。
それにしても保線車用の転車台でこの手のサイズは川越富洲原以外に見たことがないのですが、どういう用途を想定して設置されたのでしょうね、、
余談ですが名古屋駅までのアプローチ線は複線のように見えますが、実は名古屋車両所に繋がる営業車両用と名古屋保線区に繋がる保線車用の単線並列となります。
下写真の左側の線路は保線車ようのため架線が張られていません。 転車台はこちらに繋がっています。
さらに余談ですが、東海道新幹線の名古屋駅付近の高架下には笹島貨物駅時代の貨車用転車台と引込線跡が残されています。往時の姿を語る貴重な遺構だと思いますので保存されるといいですね。
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オハネフ25 0 北斗星・東日本仕様の軌跡
トミックスから発売されてきたオハネフ25 0の雑感です。
今回は北斗星 (東日本仕様)に的を絞ってみます。
銀帯・前期型はこちら
銀帯・後期型はこちら
ざっくり実車の説明をすると、北斗星仕様はアコモデーションの改良や引き戸化など耐寒耐雪構造の強化がなされたグループで、外観は銀帯から金帯にグレードアップされています。改造車種は前期型となります。
模型の北斗星は実車の運行開始から間を置かずに発売されましたが、緩急車は折妻の200番台でした。
オハネフ25 0が登場したのは東日本仕様Ⅱ(リニューアル)の発売時で、銀帯の品番8503と同世代です。
この時にオロハネ24 500や機関更新が行われたカニ24 500なども登場しています。
基本セットは東日本仕様Ⅱと言う名称でしたが、単品はあくまで北斗星仕様という呼称でした。
しかし帯の入り方や台車は東日本仕様でしたので、この時の品番8000番台と2012年にリニューアルされた2000番台の製品は東日本仕様の括りで話を進めたいと思います。
オハネフ25 0は品番8505で2004年に発売されました。また、2005年と2008年に再生産がされており、ロットによる違いが大きいことが特徴です。下の写真はそれぞれのロットの8505ですが、まず左の初回製品は色合いが違いますよね。(北斗星のマークはこちらで入れたものです)
初回ロットの製品はブルーの発色が暗く、艶も少ないため他のロットやリニューアル後の製品と並べると目立ちます。実車も検査周期の違いにより1両ごとに色合いが異なることは良くありますので、混結もある意味リアルでしょうか
塗装の違いだけならケースに入った状態でも判別がつくのですが、その他にも違いがあります。
ボディを裏返すと2005年の再生産1回目のロットはボディの裏が成型色の黒となっています。
ところが2008年の再生産2回目のロットは裏まで青で塗装され、クーラーは別パーツ化されていました。
この再生産2回目のロットのボディは2012年にリニューアルした品番2507のボディと似ていますが、よく見ると2507は室内灯が幅狭タイプに変更されたことにより屋根裏の室内灯受けの突起が無くなっています。また、クーラーを外すと屋根の色が違います。2507のボディは青色成型かもしれませんね
2507は銀帯の8536/8537と同世代のリニューアル品です。TNカプラー対応化、2段ベッドシート化など基本的な仕様は銀帯に準じていますが、北斗星仕様は増結用のためライトユニットが省略されています。また、モケットは尾久車のベージュを再現しています。
その後、バリエーションとして混成編成が発売されました。混成編成は5号車~11号車(+電源車)が東日本担当で、オハネフ25は11号車に含まれています。無印の増結セット(品番92398)では200番台でしたが、増結セットB(品番92563)には0番台が含まれています。ただ、この車両は仕様がちょっと怪しいです…
と言うのも、まず車内のシートが北海道車のコンパートメント改造タイプと同じパープル色で、クーラーもファンが1基仕様の新型。さらに幌座は黒塗りと北海道仕様Ⅱの車両と見間違えてしまいそうです。
ただ、東日本仕様と言い切れるのは袖部の金帯が切れているためです。生産の都合で北海道仕様のパーツを使ったんでしょうかね?
2016年発売のさよなら北斗星セットでは晩年まで活躍したオハネフ25 14が製品化されました。
この時に寝台ハシゴパーツが新規製作され、後々の通常製品にも波及していきます。また、編成端のオハネフ25 214は幌座の表現が追加されましたが、中間に入るオハネフ25 14は混成Bセットと同じ黒塗りのお茶濁しです。
さよならセットは特定車番の車両を模型化しているため細部の仕様も通常品とは異なります。
洗面所側のクーラーはステンレスカバーのAU77が搭載されていました。2017年リニューアル製品の基本セットではこの新キセのAU77がオハネフ25 200やオロネ25 500などで採用されましたが、オハネフ25 0は原型クーラーの単品のみですのでパーツ取りしないと新キセに換装された姿は再現できません。
通常製品としては3度目の登場となったオハネフ25 0は品番9519として2017年に発売されました。この製品から遂に0番台でも幌座の表現がされるようになりました。基本セットの200番台も幌座表現付ですが、単品の200番台は従来と同じ幌付きです。基本セットから漏れたオハネフ25 0は差し替えて編成端に出せるように配慮し、オハネフ25 200の単品はあくまで増結専用といった感じですかね。
9519は2018年に再生産がされており、このロットから床板にライトのオンオフスイッチが付くようになりました。詳細は上の銀帯・前期型を参照ください。
特に北斗星仕様は増結用なので後付けの幌枠を付属させて欲しかったところです。
次は北斗星・北海道仕様に続きますが、来年の北斗星1・2号が発売されてから書く予定です。
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2020年を迎えました
ツワモノ揃いの北斗星1・2号 前編
ここ数年、いいペースで発売されているトミックスの北斗星シリーズに新たな仲間が加わりました。
今回はJR北海道が運行していた札幌運転所所属の編成で、時代設定は1991年頃迄の姿です。
北斗星1・2号は北海道車のみの運用のためか北海道仕様という副題が無くなりました。
オール個室化後のセットが北海道仕様Ⅱなので北海道仕様Ⅰでもよかった気がしますけどね。
今回の製品は1980年代に発売された最初期の製品の正当なリメイク版と言えますが、1両1形式が当たり前とも言える北海道車ゆえ、特徴的な車両も新たに登場しています。
編成順ではないですが、気になったポイントを紹介したいと思います。
まずはオハネフ25 200ですが、0番台と同様の幌座が表現されるようになりました。上写真の右側はさよなら北斗星のオハネフ25 214です。東日本仕様はこのセット以降、編成端にくる200番台で幌座表現付きとなりまして(中間車用は従来の幌枠付き)、今回の北斗星1・2号では中間車も幌座表現付きとなり、脱着式の幌枠が付属しています。
幌を付けると従来の顔に…幌枠に耳が無いのは幌吊りを省略しているためでしょうか?
実車の200番台は216を除いた2両がはまなす用のスハネフ14 550番台に改造編入されているため、個室化後の編成ではコンパートメント改造された0番台がしんがりを務めていました。
近年の仕様に則りライトのON-OFFスイッチが付いたため、テールライトのプリズムがオハネフ24 500と同じ幅広のものに変更されていました。シートモケットは橙色です。
また、今回のオハネフとオハネは非常口が埋められており、さらに窓上に水切りのモールドがあります。この表現は3・4号までのシリーズではありませんでした。そして非常口窓で帯が途切れている姿は初代製品以来なので久々の登場です。北海道仕様Ⅱや東日本仕様Ⅱは連続していたので時代設定による違いと思われます。
続いてカニ24 500
実車は501がマイクロスカート付きで前回の北斗星3・4号の時に収録されました。従って、今回のプロトタイプは502か503です。
左が北斗星1・2号のカニ24 500、右が北斗星3・4号のカニ24 500
JR北海道のカニはJR東日本のように機関更新等を受けていないので北海道仕様Ⅱのカニと同じ形態かと思っていたのですが、荷物室扉のドアレールの表現が変わっていました。
↓左:1・2号、右:北海道仕様Ⅱ
また、3・4号の501は太い銀色で、東日本仕様(機関更新後)は太い金色です。
北海道車の晩年は細い銀色でした。しかし登場時の502の写真は太い金色だったので、今回の仕様は正しいと言えます。(503は未確認)
↓左:1・2号、右:3・4号
3・4号ではマイクロスカート車用の専用TNカプラー(JC6374)が付属していましたが、今回はスカート無し車用の専用品(JC6376)が付属しています。今後のカニ24には標準で採用されるのかもしれません。
従来の0334とPZ6261の組合せよりエアーホース等の表現がすっきりし、連結器の形状も自連形になりました。
連結器の長さはJC6374より気持ち長めですね。
むしろ寸法制約が多いはずのJC6374がここまで詰めていることに驚きです。
東日本仕様のカニ24 500(機関更新後)とも並べてみました。連結器回りの違いに注目
Hゴムの色が違うだけでかなり印象が異なります。東日本仕様は帯のモールドがありません。
トレインマークはカニ24と編成端のオハネフ25が点灯します。また、ライト基板はないものの、中間のオハネフ25 0もトレインマークの印刷済みなので編成端に登板することが可能です。
後編に続きます。
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ツワモノ揃いの北斗星1・2号 後編
今回のセットの目玉とも言えるオロネ25 550
実車はオハネ14 515から改造された551のみ在籍していました。
定員がオロネ25 500と同じことから定期運用にも登板される機会も多く、特徴的な外観と内装も相まって編成中では一際目立つ存在です。
とは言え、通路側は他の合造車と同じで地味な見た目ですね…
トイレ窓と非常口は改造時に埋められています。
クーラーは14系譲りのAU76原型。後年の姿にするなら更新タイプに交換しましょう。
2階の窓はもう少しツライチ感が欲しいところですが、肉眼では許容範囲。
内装は一体成型ながら洗面台や上段ベッドまで再現するこだわりが伺えます。
部屋のレイアウトはオハネ25 560(デュエット)と似ていますね。
3次元モデルの作成までは簡単ですが、金型設計まで考慮したモデルとなると射出成型のノウハウが必要とされます。抜き勾配とかゲート位置とか…
室内灯受けは狭幅用の土管タイプ。狭幅用でこの形は初めて見ました。
今回の形状になった理由は型分割の都合によるものではないかと思います。
設計者(時期)の違いにより北海道車の室内灯受けはこんなにバリエーションがあります…
タムタムの室内灯TORM.(色味改善仕様)を付けてみました。
これで夜間走行でも存在感が出ますね
オロハネ25 550(ロイヤル&デュエット)はオハネ14から改造された554が初登場です。
ロイヤルの客室窓の幅が拡大され、エンブレムの位置が中央付近に移動しました。
形状的には東日本のオロハネ24 550によく似ています。(あっちはオハネ24が車種)
北斗星3・4号のオロハネ25 551or552と比較してみました。
551~553はオハネ25が車種なので通路側の窓位置やクーラーなどが異なります。
また、車端部の手摺の形状の違いや雨樋が立ち上がる位置の差も再現されています。
乗降扉の窓がHゴム支持なのも元14系ならではですが、オハネ24などほかの車両と比べると窓サイズが小さくHゴムのRも固い表現です。551~553のドアに合わせて設計したんでしょうかね?
そのうちトイレ窓埋め、更新クーラーの後年の姿も登場するかもしれません。
北海道車オリジナルのスハネ25 500
B寝台ソロと半室ロビーの合造車で501~503の3両がいました。
今回は金帯が横帯のみのデザインなので502がプロトタイプでしょうか。
トイレ窓付きということで、最初期の製品の正当なリニューアル品です。
トイレ窓の埋められた姿は混成編成の増結セットに収録されています。(写真奥)
また、縦帯付きのトイレ窓が埋められた縦帯付きの501は北海道仕様Ⅱに、
オハネ14から改造された503は混成編成増結セットBに収録されています。
スシ24 500は調理室窓が原型、帯が通常の3本帯です。501~503が該当します。
こちらも最初期の製品の正当なリニューアル車ですね。
先代の北海道仕様Ⅱから採用された赤いテーブルランプは健在です。
白色LEDの基板なので、赤色LEDに打ち替えるとよりより赤みが増しますよ
左が3・4号のスシ24 508、右が1・2号のスシ24 1~3で、帯のパターンが異なります。
508は晩年まで外観上の変化がないので今回の1・2号に登板するのもありです。
3・4号では熱線吸収ガラス仕様でしたが、1・4号では無色透明になりました。
この辺は製品によってまちまちで、東日本のスシも混成編成のものは無色透明なのにさよなら北斗星では熱線吸収ガラスだったりします。最新の東日本仕様はどうだったかな?
超個性派車両は一通り出揃った感じですが、個人的に北海道仕様で製品化して欲しい車両は以下の通りです。
・オロネ25 500のトイレ窓埋め仕様 (小窓車、大窓車共に)
・オハネフ25 0の雨樋外付け仕様 (解放B、コンパートメント共に)
・オハネフ25 216 (雨樋外付け、車掌室屋根の塗分けが特殊)
・オロハネ25 556 (寝台側のエンブレムがルーバーの真下にあるタイプ)
着実にバリエーションが増える北斗星。模型としての機能や表現が製品毎にアップデートされているのも見所の一つですが、スシ24のベンチレータはもう諦めて自分で別パーツ化することにしました。
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黒姫駅の転車台見学に参加してきた
昨年8月にしな鉄まつりin黒姫が開催されました。
転車台の見学会も実施するとのことでしたので参加してみました。
以前に訪問した転車台訪問も合わせてご参照ください。
北陸新幹線で長野まで移動し、しなの鉄道北しなの線のフリー切符を利用しました。
この時は北陸新幹線が台風で大打撃を受けるとは夢にも思いませんでしたね。
転車台ツアーの主催は古間駅・黒姫駅ファン倶楽部の皆様です。
この転車台の製造年は1911年(明治44年)とのことですが、黒姫に設置されたのは1935年(昭和10年)だそうです。つまり製造されてから24年間はどこか他の場所で使用されていた可能性が高いとか。
桁の両脇に広がる骨組は豪雪地帯ならではの装備で、冬場は天板を敷いてピット内の積雪を防いでいたそうです。県内だと飯山の転車台がそうでしたが、北陸新幹線の開業に伴う駅の移転工事で撤去されてしまいました。(骨組はそれ以前に撤去されています)
ファン倶楽部ではクラウドファンディングなどでこの転車台の活路を考えているそうですが、冬場の管理等、恒久的な維持は難しい…というお話を伺いました。確かに一度復活してもそのまま放置ではすぐに元の状態に戻ってしまいますからね。機械は人がいないと生きていけません…
SLによる最後の使用実績は1971年(昭和46年)夏に運行されたファミリーD51号 。(D51 2)
同機はこの営業運転を最後に廃車され、弁天町の交通科学博物館に展示されていましたが、同館の閉館に伴い現在は津山まなびの鉄道館で余生を送っています。
当時としては貴重なカラー写真ですね。骨組と垂直に補強の角材が設置されています。
転車台が最後に使用された実績は1987年に運行されたEF55ファミリー号です。(EF55 1)
このEF55 1は同年の民営化に先立ち1986年に車籍が復活したばかりでした。
2009年に引退し、2015年からは鉄道博物館に展示されています。
転車台には架線が張られていませんので入換動車か後補機のEF64を使用して載せたと思われます。
この時既にD51の写真にあった骨組の上の角材が無くなり、牽引車は不調なのか手押しで回していたことが分かります。
説明を受けた後はピットの周りを散策。普段は立ち入れない場所なのでしっかり目に焼き付けておきます。牽引車は新潟鐵工所製ですが製造年は不明でした。
モーターハウジングがラウンドタイプの牽引車もだいぶ貴重になってきました。
豊岡の転車台もいつの間にか新型に代わってしまいました…
接続線の枕木には位置ズレ防止用の繋ぎとしてラックレールが使用されていました。
信越本線と言えばアプト式ラックレール。何かと縁があるものですね。
長らく固定されていた名残でしょうか、桁と地上側のレールに継目板用と思われる穴が開いています。津軽中里の転車台も復活するまでは固定していました。
施錠レバー台はトタン製。手動用テコは持ち手が失われています。
転車台の先の線路には夜間停泊用の車庫があったそうです。
夜に到着したSLはここで一晩を明かし、翌朝の運行に当たっていたのでしょう
これらはしなの鉄道や信越本線の歴史を語るうえで外すことのできない遺構です。
むしろその土地の歴史の一つと言っても過言ではないと思います。
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今日で東日本大震災から9年です。
今日で東日本大震災から9年です。
テレビの中継で見た津波、計画停電、原発事故…
どれも昨日のことのように鮮明に覚えています。
自然災害は人の手で未然に防ぐことは出来ません。
しかし、過去の経験を活かすことは可能です。
そして悲しみを忘れないことが一番の教訓になると思います。