内容的には模型のレビューですが、実車の情報も交えてご紹介したいと思います。
キハ31形とキハ54形は国鉄民営化に際して経営が厳しくなることが予想された三島会社向けに投入されました。同じ顔立ちをしているのはこうした導入の経緯があるからなんですね。
↑キハ54形500番台
JR北海道向けのキハ54-500は二重窓の採用や非冷房の室内などの極寒地仕様となっています。
正面左下にあったタイフォンは鹿除け対策でホイッスルに変更されたため塞がれています。
↑キハ54形0番台
JR四国向けのキハ54-0は暖地仕様のため大型のユニットサッシやバス向けの冷房装置、折り戸の乗降扉などが採用されています。写真は土讃線の運用に就いていた時期に撮影したものです。
↑キハ31形
JR九州向けのキハ31は17m級の小型車体ながらキハ54形と同じコンセプトで設計・製造されています。登場時はスカートが未装備でしたが近年になって取り付けた車両も存在します。
そんな感じの三者ですが、最近になりキハ54-0やキハ31の完成品が発売されましたので3社の異なる3形式を並べてみることにしました。
キハ54は500番台がグリーンマックス(以下GM)とトミーテック(以下鉄コレ)から、0番台がマイクロエース(以下マイクロ)と鉄コレの2社から発売されています。同じ番台同士のメーカー違いを比べてみるのも面白そうですね。キハ31の完成品は今のところマイクロのみとなっていますが、鉄コレからも製品化されそうな気がします。
キハ54-0のアンテナはユーザー取り付けです。(写真は未取り付け状態)
ここからは2両ずつ並べてみました。
↑キハ54-0とキハ54-500
鉄コレのキハ54-0はテールライトのリムが細くて繊細ですね。
一方でGMのキハ54-500はジャンパ栓受けの彫が深くガラスの平滑感がリアルです。
どちらも実車の雰囲気がよく出ていると思います。
↑キハ54-500とキハ31
スカートの有無を覗いたら色違いにしか見えませんね。側面はまるっきり違いますが…
マイクロのキハ31は白縁がやや太いため柔らかい印象を受けます。
あとテールライトのレンズに透明感がない点は改善したいところです。
↑キハ54-0とキハ31
最後に暖地向けの並び。実車は折り戸の乗降扉やバス用の円形通風器など共通点が多い車両です。
どちらも渡り板に車番が印刷されています。キハ31はスカート装備車も製品化されています。
ご覧の通り顔以外は導入地区に合わせた個性が出ております。特にキハ54は別形式にしても違和感がないくらい異なっています。500番台は台車や制御系統の交換・室内の改造等が施されており登場時の形態とは大きく変化しています。
暖地向けのキハ54-0とキハ31は個々の装置の共通点は多いですが車体長やエンジン数が異なるため別形式にされたようです。先ほど話したキハ31のテールレンズの色を改善しようとばらしたところ、ライトケースが別パーツになっていました。
恐らくリムの塗り分けを歩留まり良く表現するためでしょう。マイクロのこういった他社ならオミットしそうな部分でこだわりを見せてくれる所は嫌いじゃありません。あとはレンズの色とリムの太さを頑張ってくれれば言うこと無しなのですが…
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