その3では共用式安全側線に的を絞ってみたいと思います。その1、その2も参考にどうぞ
まずは東海道本線の金谷。構内には大井川鐵道への連絡線の名残で側線が引かれています。
ホームの菊川方は牧の原トンネルが控えています。一番右のトンネルは旧上り線用で廃止済み。
末端まで架線が張られており、機回し線と側線2本分の安全側線を兼ねたような線形をしています。
ダブルスリップを用いないと側線の有効長を確保出来なかったものと思われます。
安全側線への進路は手前の分岐器で入れ替わりますので、同時進入が可能な状態にはなりませんね。
次に唐津線の終点、西唐津。ホームの先に両渡り線があり、分岐器の奥が安全側線になっています。
車両基地へ出入りする際、ホーム線と側線で行き違いが生じるため設置されているようです。
この両渡り線を用いた共用式安全側線は貨物駅でちらほら見られます。
ひめじ別所に隣接する姫路貨物駅。シーサスのすぐ先に安全側線用緊急防護装置が構えています。
能町は両渡り線の一端がそのまま安全側線になったような形態をしていました。
安全側線用緊急防護装置がなかったら撤去作業中の線路だと思われてしまいそうです。
車内から近傍を撮ってみました。転換装置やトングレールはありません。(砂利の中という可能性はある)
かつてこの安全側線の先は奥の側線と合流して中越パルプ専用線に繋がっていました。その専用線が廃止・撤去された際に今のような線路配置になり、このような安全側線が誕生したという経緯があります。
能町と同じタイプをもう一か所。宇都宮貨物ターミナルにて
かなり高速で通過するので気が付きにくいところです。何度か挑戦してようやくまともな写真が撮れました。
カーキャッチャーが常設されている時点で、その先はもう走行用の線路ではないことを意味します。
このタイプの安全側線は向日町運転所にも沢山ありそうなのですが、実際に確認するのは難しそうです。
奥側の線路にもカーキャッチャーが取り付けられていました。フランジウェイとの位置関係がきわどい…
能町よりも手前の位置に安全側線用緊急防護装置が設置され、砂利盛になっています。
岩切の仙台方にある安全側線はダイヤモンドクロッシングを挟んで本線の外側へ寄せています。
また安全側線用緊急防護装置を線路間に立てることで共用しています。この使い方についてはまた後日
複線区間かつ両方とも上り線なのに安全側線?と思いましたが、かつて貨物の入換を行っていたからでしょうね。今でも左の側線は工臨の発着に使用しているので安全側線も立派に機能しているようです。
そして共用式安全側線の中でも特に異彩を放つガントレット形安全側線を。まずは上総一ノ宮から
過去にコレを模型で再現したくて作ったことがあります。→【完成】ガントレット/単複線を作ってみる その3
2つの線路はリードレールの先から合流することなくガントレット状の四線軌条となります。
駅構内への入出庫線のため安全側線用緊急防護装置はなく、車止めも砂利盛の第一種です。
宇都宮貨物ターミナルでも発見しました。先ほどの場所とは反対側です。
北斗星のベッドでくつろいでいたら、いきなり目に飛び込んできたのが今でも忘れられません。
ようやく普通列車にてリベンジしました。ここは新幹線の高架下なので地図上では確認できないんです。
まず手前の線路にカーキャッチャーを確認。その先は上総一ノ宮と同じく四線軌になっていますね。
名鉄瀬戸線のガントレットが消えて久しいですが、今もこうした設備が残っているのは貴重だと思います。
線路幅が広くなるため橋枕木を使用しているようです。オフセットされてるように見えるのは気のせいかな?
奥に建つコンクリートブロックは列車が脱線した際に橋脚とぶつからないようにするための障壁で、橋脚が近くにある分岐器の脇に設置されています。こういう特殊な設備を発見できるのも列車旅ならではです。
クリックお願いします
↓ ↓ ↓